元捕虜の訪日記録 |
日本政府招聘によるアメリカ人元捕虜第2陣の来日
(2015年12月6日~14日)
12月6日~14日、日本政府の招聘で、元アメリカ兵捕虜の第1陣(元捕虜5人+付添5人)が来日しました。当初は9人の予定でしたが、1人は10月グループに繰り上げられ、3人は体調が悪くて来日が叶いませんでした。全員が日本本土周辺で撃墜されて捕虜になった飛行士たちです。これまでの来日グループにも元飛行士が加わっていたことがありましたが、今回のように団体で来日したのは初めてです。彼らは、無差別爆撃を行った犯罪人とみなされ、正規の捕虜の扱いを受けることができず、より劣悪な環境に置かれました。
ちょうど同じ時期にカナダの捕虜家族のグループが来日したため、POW研究会、「元捕虜・家族と交流する会」による交流会を開くことができず、代わりに明治学院大学横浜キャンパスで行ってもらい、そこにP研メンバーが参加する形になりました。また何人かは墜落地や収容所跡地訪問に同行したり、現地での交流会に参加しました。このレポートでは旅の概要と明治学院大学での交流会の状況のみをお伝えし、地方訪問先のレポートはP研HPでお伝えします。
来日された元捕虜の方々の略歴
ウィリアム・コネルさん(Mr. William L. Connell) |
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ミネソタ州在住の91歳。米海軍に入隊。小笠原諸島父島に空母ホーネット艦載機が墜落。当時,海軍中尉だったコネル氏はパラシュートで脱出し,捕虜となる。大船海軍収容所を経て,1945年5月,大森収容所に送られる。戦後は23年間保険会社に勤務。またその後11年間ミネソタ州のゴルフ・クラブに勤めた。かつて墜落した父島に,何度か訪問した事あり。 |
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フィスク・ハンレーさん(Mr. Fiske Hanley II) |
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テキサス州在住の95歳。米陸軍航空軍に所属。1945年3月,現在の福岡県直方市の中島橋下流に搭乗していたB29が墜落。機関士だった同氏はパラシュート降下して捕虜になる。飯塚警察署から西部軍司令部を経て,東京憲兵隊,大森収容所に収容された。戦後はエンジニアとして,現在のロッキード・マーチン社に勤務。捕虜体験についての回想記『Accused American: War Criminal』を出版。 |
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チャールズ・ブラウンさん(Mr. Charles H. Brown) |
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ウェスト・バージニア州在住の91歳。米海軍に所属。1945年2月,現在の茨城県土浦市の霞ヶ浦西端に墜落。当時,海軍少尉だった同氏はゴムボートで脱出して捕虜となり,霞ヶ浦海軍基地から大船捕虜収容所に送られた後,大森捕虜収容所に収容された。戦後,弁護士として50年間務める。 |
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スコット・ダウニングさん(Mr. Scott M. Downing) |
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テキサス州在住の96歳。米空軍の第313航空団505爆撃軍に所属。1945年5月,現在の千葉県印西市の田んぼに搭乗していたB29が墜落。同氏は,仲間の7人と共にパラシュート降下して捕虜となる。東京憲兵隊に送られた。戦後も空軍に残り,GHQの法務局調査部にも勤務。退役後は兄弟と共に建設業に従事。 |
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ドナルド・ライアンさん(Mr. Donald E. Ryan) |
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フロリダ州在住の93歳。1945年5月,現在の埼玉県三郷市の田んぼに,搭乗していたB29が墜落。同氏は仲間と共にパラシュート降下し捕虜となる。東京憲兵隊,その後大森収容所に送られた。戦後,トラックのリース事業に従事。 |
おもな日程
12月6日(日) | 成田着 |
7日(月) | 英連邦戦死者墓地訪問,大船収容所跡など訪問,明治学院大学学生との交流会 |
8日(火) | 米国大使館ケネディー大使を訪問 |
9日(水) | 外務省、東京憲兵隊跡、大森収容所跡、東京大空襲戦災資料センターなど訪問 |
10日(木) | 地方の墜落地点など訪問,市民との交流会 (茨城/群馬・埼玉・千葉/福岡) |
11日(金) | 地方の墜落地点など訪問→京都へ移動 |
12日(土) | 京都観光など |
13日(日) | 京都霊山観音,立命館大学国際平和ミュージアムなど訪問 |
14日(月) | 関西空港発 |
地方訪問先
1.茨城グループ(チャールズ・ブラウンさん、ウィリアム・コネルさん)
2.群馬・埼玉・千葉グループ(スコット・ダウニングさん、ドナルド・ライアンさん)
3.福岡グループ(フィスク・ハンレーさん)
12月7日:大船収容所跡地訪問記録 >> PDFへのリンク
12月7日:明治学院大学横浜キャンパスでの交流会記録 >> PDFへのリンク
12月9日:東京大空襲戦災資料センター訪問記録 >> PDFへのリンク
12月10日:ブラウンさんの霞ヶ浦(茨城県)訪問記録 >> PDFへのリンク
12月10日~11日:ダウニングさん、ライアンさんの秋妻(群馬県)、三郷(埼玉県)、印西訪問(千葉県)記録 >> PDFへのリンク